意識的な「ぶくぶくうがい」の効果・重要性
最近の安佐南区相田方面より車で来院いただいて当院でホワイトニングを受けていただいている患者様とお話する機会があり、「うがいって正しい仕方みたいなものあるんですか?」
と聞かれました。
歯医者さんからの話で「うがい」について聞くことはあまりないと思いますが、「うがい」も口腔内の機能維持の側面からもセルフケアの一つとして重要なものと考えております。
一言で「うがい」と言っても「うがい」には2種類あります。外出先から帰ってきて「のどの洗浄」を目的に行う「がらがらうがい」と、口の中で全体をゆずぐ「ぶくぶくうがい」です。時々幼いお子様が歯磨き後に「がらがらうがい」をされていることがありますので、親御様がこの2種類のうがいについての目的を説明していただくと良いと思います。
大人の方でも目的意識をもって意図的に「ぶくぶくうがい」をされている方はかなり少数で、漠然とされている方が歯大半ではないでしょうか?
では何を意識するといいのでしょうか?
「ぶくぶく」を出来るだけ早く(10秒程度)行うことを意識してください。
なぜ高速で行うことが重要なのでしょうか?
➀口腔内に残った汚れを強い水圧でしっかり落としきるため
口の中に食べかすがあると細菌が繁殖し、虫歯や歯周病の原因であるバイオフィルム(歯垢や歯石)がつくられます。一度形成されたバイオフィルムは歯ブラシなどを使って落とす必要がありますが、食べかすを残さないことでバイオフィルムが形成されてしまうリスクを低減させることが出来ます。また間食や歯磨きをすることが難しいタイミングで飲食物をとると口内が時間の経過とともに酸性になっていき虫歯リスクが高まります。このような状態にならないためにすぐに高速ぶくぶくうがいを実行し、強い水圧によりある程度の歯間の食べかすの除去や水により口内が酸性化に傾きすぎないように中和されるようにしましょう。
②素早いうがいにより口周りの筋肉が強化されるため
実際に素早くぶくぶくうがいをしてもらうとすぐわかると思いますが、喉まわり・口周りの筋肉が疲れます。これにより飲み込む力が鍛えらえれ、この筋トレ効果と口内の汚れがきちんと口外に出すことにより誤嚥性肺炎を引き起こすリスクを下げることが出来ます。また口内環境とは別の効果ですが、この筋トレ効果によりほうれい線やフェイスラインのたるみが改善する効果もあるようです。
その「ぶくぶくうがい」はいつやるのがいいの?
・飲食後のたび
・歯磨き後
・(起床後や緊張時など)口内が乾燥している時
上級者向け
普通の素早いぶくぶくうがいが出来るようになったら、口内の上部や下部、右・左側などと水の位置を変えて行えるようになりましょう。
【上部】上の歯の前歯裏側に向かって水を強くぶつけるように鼻の下が膨らんでくるほどの強さで素早く動かします。
【下部】水を含み、軽く口を閉じて、下の歯の前歯の裏側に向かって水を強くぶつけるように下唇のした部分が膨らんでくるほどの強さで素早く動かします。
【左右】水を含み、軽く口を閉じて、左右の奥歯に水を強くぶつけるように、左右の頬が膨らんでくるほどの強さで素早く動かします。
〇注意点〇
次は水の量は口をしっかり動かしやすいように少量で行います。姿勢は水圧効果を得やすいように前かがみではなく、背筋を伸ばして行いましょう。
歯磨き後に行う場合、フッ素配合の歯磨きペーストのフッ素コーティングが落ちすぎないようにフッ素配合の歯磨きペーストを使用して歯磨きをした後は通常のぶくぶくうがいを1回のみにしておきましょう。
素早いぶくぶくうがいは水があるところではどこでも行うことが出来ます。(普段洗口液を使用されている方は洗口液でおこなっても問題ありません)意識的に行うことで、大切な口腔内機能維持=老化を予防することが出来ますので、是非皆さんにも行って欲しいと思っております。