虫歯の重症度、それに応じた治療方法例
歯に付着した虫歯菌が飲食後に歯に残った、または付着した食べかすや飲み物の糖分から酸を作り出す。その酸によって歯の表面部分のエナメル質が溶かされて穴があいてしまう虫歯。皆様も学校などの歯科検診などでC1,C2,C3などと虫歯が出来ている歯がある時に歯科医師から言われたことがある方も多いのではないでしょうか?
なんとなくCは虫歯の事で数字が大きいほど悪い状態なんだろうなと想像できますが、では具体的に数字の違いによって歯の状態がどのようになっている状態なのか?その状態によってどのような治療がおこなわれるのか?についてご説明致します。
【状態】
CO
シーゼロではなく、シーオーと呼びます。(Caries under Observation)の頭文字からとったもので要観察歯のことを言い、歯の表面(エナメル質)からカルシウムが少し溶け始めた(脱灰した)面が分かる状態のことを言う。痛みはない
C1
シーワンと呼ぶ。エナメル質が溶け始めているが痛みはない状態。COとの違いは灰色や薄茶色の穴や溝が出来ているのが分かる点
C2
シーツーと呼ぶ。虫歯の侵蝕による穴がエナメル質から象牙質まで至った虫歯のことを言う。冷たい物や甘い物がしみることで痛みを感じる。見た目では虫歯の部分が黒くなる。
C3
シースリーと呼ぶ。穴の深さが歯髄までに及び、強い痛みを伴う。歯髄の状態によって「歯髄炎」と「根尖性歯周組織炎」に分けることが出来る。「歯髄炎」の場合は歯の根の先端付近が腫れる。
C4
シーフォーと呼ぶ。歯冠(歯ぐきから出ている歯の上部)のほとんどが虫歯によって崩れ始めていて、歯根だけが残っている状態。
【侵蝕されている範囲】
CO、C1 エナメル質まででとどまっている。
C2 エナメル質から象牙質まで至っている
C3 歯髄炎は歯髄までいたっている
根尖性歯周組織炎は歯髄まで穴があき、歯の根の先端(根尖)が腫れ始める
C4 歯髄から根尖まで
【治療例】
CO、C1
高濃度フッ化物で再石灰化を促すことで経過観察する。C1でも症状がある場合などは詰め物が必要になることがあります
C2
基本的には詰め物で対応が可能です。がしかし、虫歯の広範囲(面積が広い)場合は被せ物が必要になることがあります
C3
歯髄を取り除き、土台をたてて補強して被せ物をします
C4
歯を残せる場合はC3と同じ処置をおこなうが、基本的には抜歯となります。その後入れ歯、ブリッジ、インプラントを検討します。
以上となります。
今回の説明でのポイントは
CO、C1ではエナメル質の再石灰化で元にもどり口内環境は悪化しない点です。逆に言いますとC2以上になると歯を削り、人工物を詰めたり、被せる治療が必要になるので、痛みは治療によりなくなるかもしれませんが、抜歯により歯が無くなってしまったり、時間の経過により治療箇所から再度虫歯になってしまうリスクが高まったりや詰め物、被せ物が外れてしまい再び治療が必要になってしまったりと虫歯がない口内環境に比べると明らかに口内環境が悪化してしまっています。
では虫歯をCO、C1の状態で見つけ、対処するにはどうすればいいのでしょう?
痛みが無い状態ですので、自覚症状で気づくことはかなり困難です。よって定期的な検診と歯科医院でのクリーニング、メンテナンスを受けて歯科医師、歯科衛生士のプロの目で発見してもらうしかありません。
しかし、本当は全ての方に年に1度は歯科医院で定期検診を受けていただくことがベストだと思いますが、現実問題として口内に何も違和感もない、虫歯の経験もない方に歯科医院に来ていただくことは難しいです。そこでココ歯科では、初めて歯科医院にくるきっかけは虫歯の痛みであることは致し方ないと考えています。がその治療が終わったあと今後今以上に口内環境を悪化させないため、治療箇所の状態確認、その他箇所のチェック、プロのクリーニング、セルフケア方法のレクチャーを予防歯科として定期的に来院していただきたいと思っています。患者様の歯を削り、人工物を詰めたり、被せることで痛みをなくし、日常生活の支障を排除することも大切だし、必要な仕事だと思いますが、口腔内環境の悪化を防ぐ、予防歯科こそが皆様の長い人生の健康的な生活の為に本来目指すべき歯科医院の仕事だと思っています。結果歯科医院が痛い治療をするところのイメージから痛みはなく歯を守り、健康寿命を延ばし、あたりまえの生活に貢献するところというイメージに変わっていけたらうれしいですね。
「年に1度は体の健康診断や人間ドックにいくように、歯の定期検診も受診しましょう」